よしながふみ先生の連作短編の感想文になります。
どれだけモノを減らしてもこれだけは手放せないぞってあるじゃないですか。まさにそんな一冊で、断捨離の手が止まり読み返したら(ありますよね)またじわじわしたのでシェアしたいと思い立った次第です。
今から20年ぐらい前に メロディ で連載されていた作品なのですが、いやいや普遍性よ、人の心は何にも変わらなくて進化なんてできないんだなと遠い目になります。
今でこそ【自己肯定感】【毒親】なんていうパワーワードが登場し、病名のようになんでもそこにハメて何ならちょっと安心した気になっちゃうけど、
頭で理解したつもりでも、心が追いつかないことがほとんどなんだよなとしみじみ。
この本には様々な女性が登場し、それはふわふわとした甘めの世界からはだいぶ遠いんだけど、でも最後には大きな毛布でフワッとくるんでくれる。
私もそんな風に人の気もちに寄り添うことができたらいいな、とこれまた遠い目になりました。
占い師をしていると、「人の気もち」にフォーカスを合わせることがとても多く、それが仕事と言ってもいいぐらいなのですが、
どれだけやっても人の気もちってやつは。いや自分のだって本当に理解しているか、怪しいところです。
これまた勘違いしやすいのが、意識できたり人に伝えることができるのは【考え】であって、【気もち】とはぜんぜん違ってたりして、
しかも悩みの中にいるときほどさらに、その二つのベクトルは正反対を向いているからややこしい。オンナゴコロは揺れる揺れる。
でもっと言えば、【考え】をどれだけグルグルしてもそこから答えが出てくることはないんじゃないかとも思っていて、
自分の【気もち】に一番気づいてもらいたい相手は自分だったりして。それは簡単なようで難しいから、自分との対話だったり、人に伝えることで気づいたり、そんな作業がたまには必要で、占いを通したコミュニケーションって、そんな効用があるのかもしれないなと、ブツブツ思うのでした。