楽しみにしていたアニメが始まりました。
朝5時からという、「やる気あんのか」時間すぎる設定、どうしてこうもNHKは最高のニッチを目指すのか。
先ほど見終え、久しぶりに心を掴まれました。たまりませんこれこれ、これが昭和なのよ。初回放送は1979年ですって。
ちょっと話は逸れるのですが、
私は昨今の「日本版 #me too」のムーブメントを肯定的に見ていて、とりあえず日本の空気を作っているテレビが、これを機に「建前」だけでも変えてくれることを期待しています。
なので「これはカッコいい、あれはアウト」が大きくアップデートしている過渡期にわくわくしているのですが、
その一方で「ありえない昭和」も大好物というアンビバレントがあるのです。
恥ずかしい個人的な話になるのですが、私は多感な時期に「アメリカかぶれ」していて、価値観や美醜がそこで設定、固定されているようで、
ある程度大人になったタイミングで観た昭和の映画やドラマに、それはそれはカルチャーショックを受けまくりました。
男性は女性を「おまえ」呼ばわりし、女性はいつも受け身でしとやかで上品、なのにすぐ殴られたりする。
だいたいのシーンで常に日焼けした銀幕男性俳優は煙草を吸っている。
いちいち生理的に無理すぎるのが逆に面白いんです。
ここで話を戻しますね。
このマルコ・ポーロの大冒険も、ちゃんとありえなくて最高でした。
詳しくはぜひ見逃し配信で観ていただきたいのですが、
ニコロパパ、確執のあった息子マルコと初めてきちんと向き合うシーンで、「分からせてやるっ!!!」ってボコボコにしますからね。
その熱烈な感じは、「あしたのジョー」「エースをねらえ」など、まさに昭和なキャラクターデザインを手がけた杉野昭夫さんによるものだそうで、世代ではないのですが雰囲気は分かります分かりますとも謎のバイオレンス。
そして斬新で素敵すぎるのが、アニメーションと実写の映像ミックス演出です。ちょっと何言ってるか分かんないですよねすみません。
アニメの物語の中に、ちょいちょいリアル現地動画が挟み込まれているんです。これは痺れます。
こんな「魅力的な外国」をインターネットのない時代に子どもの頃に見ちゃったら、それは旅人まっしぐらなはず。観ていた先輩方を羨ましく思うのでした。