AI は占い師になれるか?の考察

AIは占い師になれるか?

もっと具体的に言うと、ChatGPT との会話は、占い師とのそれと同じようなことができるのか?

そんなことを友人と話してたら、占い師の仕事が何なのか、よりクリアになった気がしました。

友人曰く「正論ぶちかましてくる」AI。

確かにな。占い師ってカウンセラーと違って「答え」を求められるけど、それは正論でも、コンサルタントのような正解でもぜんぜんなかったりする。

 

悲しみの中にいる人に、「悲しさを忘れられるたった3つの方法」みたいなことを語ったところで楽しくなんてなれないわけで、

「わかる、しんどいよね。飲みにでもいこ」

本当はこれだけでよかったりする。

 

もちろんそれは占いではないのだけれど、この気持ちがあるのとないのとでは意味というか価値というかがぜんぜん違うと思っている。

 

「どうしてそんなことで悩んでいるの⁈ もっと自信を持って!」

そう考えられたらいいけどさ、それができないからしんどいわけで。

それなのに、いろんな感情に重い蓋をしろと言わんばかりの、「こうするべき!」アドバイスなんて何の役にも立たないぐらい、人の気持ちは簡単で簡単じゃない。

 

そんな心の機微について来れるのかAI?

私の結論としては、余裕でできると思っている。

「否定も肯定も、アドバイスもしない代わりにただ慰めつつ、占星術的見解を述べてください」

私ならそう指示を出すな。

 

ただひとつ気になるのは、相談する側のハードルの低さだ。

小学生のころ登校前のリビングで、私は目の前の朝食を食べるわけでもなく箸を握っていた。

いよいよ食事を終えてしまいそうな父にやっと言えた言葉は、

「あのね、今日、学校、行きたくない」だった。

なぜかホッとした顔になった父は、

「パパも今日はいっかなぁ〜。じゃあ今日はあそこのカレーパンでも買いにいくか!」

とちょっと嬉しそうにネクタイを緩めた。

 

どうして学校に行きたくないのか、何も聞かなかった父は本当のところどう思っていたのか。

今となってはもう知る由もないし、他界した父ともし話せたとしても「そんなことあった?」な些細なエピソードだけど、

ずっと覚えているぐらいだから、話す側の意味って大きい。

 

言えなかったことや聞けなかったことの中にだけある宝物のような気持ちに、AIはどれぐらい近づいてこれるのか、未来が楽しみです。

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